読書セラピー「賢者の一言」
J.D.サリンジャー
「ものごとの成り立ちをイエスほど正しく理解していたやつが他にいるだろうか?
誰もいない。モーセも駄目だ。
彼は好人物だし、神とも美しい関係を保っていた。
たしかにね。
でもさ、そこがまさにポイントなんだよ。
彼は関係を保ってなくちゃならなかった。
一方イエスにはわかっていたんだ。
どうやったところで神からは離れようもないってことが」。
「フラニーとズーイ」村上春樹 訳 より
………………………………✨✨✨
私の大好きな作家、J.D.サリンジャーさんは、「ライ麦畑でつかまえて」が世界的なベストセラーとなり一躍有名作家になりました。
(個人的には、ナイン・ストーリーズのほうが好きですが)
彼には戦争体験があり、映画でも有名な「ノルマンディ上陸作戦」でドイツ軍と戦ったそうです。
終戦を迎え、帰国してからは悲惨な戦争体験の記憶が彼の心を蝕み始めました。
その魂の暗黒時代に出会ったのが、ラーマクリュナの教えや瞑想で、瞑想を通して心を平静に保つことに成功したようです。
その後も東洋思想、さらには日本の禅や俳句なども研究して彼の作品にいのちを吹き込みました。
神からは離れようがない……。
どんなものにも仏性(神性)が宿っているとする、禅の思想と共通しています。
神や仏という言葉に馴染めない人は、「愛」「宇宙」「いのち」「大いなる力」「グレイトスピリット」……など、どうぞお好きなようにお呼びください🤣
いずれにせよ、文学に限らず、ホンモノの芸術家は、神を、いのちを、愛を、表現せずにはいられないのです。👨🎨
今日も読んでくれてありがとう🙏😊💕