死の中にこそ生ありと云う

想いの死にこそにて悠久の生あり

釈迦こそ想いの死の証しなれば

今この我等が刻(とき)の中で生きてありと確信すべきは

これ仏果の証しなり

よく信ずべし

よく想うべし

よく観るべし

我等が心中の仏果を

心中の仏果は悲しみにあらず 憐れみあらず

それ唯 慈悲心なり

仏すなわち慈悲心なれば

その姿はあまねく我等に傳わるとはならず

それ我等は仏にはあらず

白豊 伝